メルトダウンと言っても
メルトダウンということばは大変あいまいで、語感からすればウランの融点の2800度以上になって溶けてどろどろになって下に落ちるということだと思うのですが、今回の状況に関しては、とにかく炉心が損傷して下に落ちていることをメルトダウンと言うということになっているようです。東電と記者たちのやり取りの中で無理やり定義付けられてしまった感もあります。
報道では燃料は2800度に達して溶けて今は冷やされて溶岩状に固まっていると説明されることが多いのですが、
どうもネット上の原子力技術者などの発言(又聞きも含む)などから、燃料ペレットとして固められているウランは溶ける前に高温で粉末化(細粒化)するので原子炉内で粉末化しているのではないかという話があちこちから聞かれ、必ずしも溶岩化しているばかりでもなさそうです。
粉末化しているところに冷却のための水をどんどん流したら、溶岩化しているよりずっと燃料が流れ出しやすいと思えるので、人が建屋内に入るのも計画よりは厳しいだろうし、水棺などはとても無理で、放射性物質を除去しつつ水を循環させるようになるまでにはいっそう手順が増えるだろうと思われます。
また、海洋への流出もまだ心配です。
一方、かなり最悪の状態であったことがわかっても
その後の冷却がなんとかできているようなので、これからの爆発ということはもうほとんど心配ないかと思います。(3号機がまだ不安定)
空中への放射性物質の飛散はもう東京はもちろん福島でもあまり心配しなくてもいいくらいに減って来ているようですが、すでに地面に落ちている放射性物質は半減期が30年と比較的長いセシウム137などが主体になってくるので、今線量が少ない地域はもうほとんど気にしなくていいのですが、多い地域では自然に減少することはあまり望めません。
土ぼこりが空中に舞い上がるような日は放射性物質も舞い上がると思います。
また、セシウムは粘土質の土壌には吸着されてしまう性質があるそうで(ヨウ素の方が流れやすいらしい)雨に流されて減っていくという効果もあまり望めません。
そのため郡山市などが率先して校庭の土の除去など行っているのですが、除去した土の行き場がないのが困ったことです。
テレビを見ていたら、除去方法としてや田の土を水と混ぜてかき回しゼオライトを入れて吸着させるという案を挙げていましたが、粘土質がすでに吸着していると水を混ぜてもあまり溶け出さず、ゼオライトに吸着させられないのではないかと心配しています。
基本的にここでは東京周辺向けの話なので、原発周辺地域の線量などの情報はあまり集めていません。
15日の爆発と当時の風向や雨が降った日付によりかなり局所的に違うことがわかってきているので、
radmonitor311などのサイトから必要な地域のデータを見てみてください。
http://sites.google.com/site/radmonitor311/
下の方に「観測データ(可視化済み)」とあるあたりから、グラフにされたり地図上にプロットされたりしているものがあります。
http://sites.google.com/site/radmonitor311/home#10
報道では燃料は2800度に達して溶けて今は冷やされて溶岩状に固まっていると説明されることが多いのですが、
どうもネット上の原子力技術者などの発言(又聞きも含む)などから、燃料ペレットとして固められているウランは溶ける前に高温で粉末化(細粒化)するので原子炉内で粉末化しているのではないかという話があちこちから聞かれ、必ずしも溶岩化しているばかりでもなさそうです。
粉末化しているところに冷却のための水をどんどん流したら、溶岩化しているよりずっと燃料が流れ出しやすいと思えるので、人が建屋内に入るのも計画よりは厳しいだろうし、水棺などはとても無理で、放射性物質を除去しつつ水を循環させるようになるまでにはいっそう手順が増えるだろうと思われます。
また、海洋への流出もまだ心配です。
一方、かなり最悪の状態であったことがわかっても
その後の冷却がなんとかできているようなので、これからの爆発ということはもうほとんど心配ないかと思います。(3号機がまだ不安定)
空中への放射性物質の飛散はもう東京はもちろん福島でもあまり心配しなくてもいいくらいに減って来ているようですが、すでに地面に落ちている放射性物質は半減期が30年と比較的長いセシウム137などが主体になってくるので、今線量が少ない地域はもうほとんど気にしなくていいのですが、多い地域では自然に減少することはあまり望めません。
土ぼこりが空中に舞い上がるような日は放射性物質も舞い上がると思います。
また、セシウムは粘土質の土壌には吸着されてしまう性質があるそうで(ヨウ素の方が流れやすいらしい)雨に流されて減っていくという効果もあまり望めません。
そのため郡山市などが率先して校庭の土の除去など行っているのですが、除去した土の行き場がないのが困ったことです。
テレビを見ていたら、除去方法としてや田の土を水と混ぜてかき回しゼオライトを入れて吸着させるという案を挙げていましたが、粘土質がすでに吸着していると水を混ぜてもあまり溶け出さず、ゼオライトに吸着させられないのではないかと心配しています。
基本的にここでは東京周辺向けの話なので、原発周辺地域の線量などの情報はあまり集めていません。
15日の爆発と当時の風向や雨が降った日付によりかなり局所的に違うことがわかってきているので、
radmonitor311などのサイトから必要な地域のデータを見てみてください。
http://sites.google.com/site/radmonitor311/
下の方に「観測データ(可視化済み)」とあるあたりから、グラフにされたり地図上にプロットされたりしているものがあります。
http://sites.google.com/site/radmonitor311/home#10
一号炉の燃料が落ちていた話
一号炉の燃料が破損してほとんど圧力容器の下の方に落ちている状態だと報道されています。
昨夜、Ustreamで原子力保安院の会見を見ました。
http://www.ustream.tv/recorded/14641850
原子炉建屋内に入ることができるようになったので
原子炉の計測器を補正したら今までの指示値より圧力容器の水位が低いことがわかった。
(ダウンスケール・・燃料棒が本来ある位置より水位が下。下から4mぐらい)
水位が低いのに燃料が冷えているということは燃料は水の中にある。
ということは、燃料棒が破損して落ちている。
という話のようです。
吉岡メモでは、4月17日の第26報で1号機の炉心損傷・燃料落下は推測されていたので
状況としては新しい事態が起こったわけでもないということになります。
吉岡メモ
http://www.shippai.org/shippai/html/index.php?name=news559
第26報(PDF)
http://www.shippai.org/images/html/news559/YoshiokaMemo26.pdf
必ずしもセンセーショナルに一部メディアが言うように「燃料落下=すべて解けてドロドロになった」ではなく、
熱で被覆管が壊れたことによりまずペレットのまま落下。
高温によりペレット状を維持できず粉末化。
一部もっと高温(2600度以上)になり解けた部分もあるかも。
可能性としてはそれらの複合状態のようです。
大量に水がもれ出ているような大きな穴があれば、溶けて滴り落ちていなくても、粉末状でも流れ出すでしょう。
これは今わかったとは言え前から起こっていたことで、
私たち一般市民にとって特に大きく状況が変わったということはなさそうです。
対策する側は予定を変更したり新たに検討する必要があるかもしれません。
--------
これに対応する吉岡メモ第37報が新たに出たようです。
http://www.shippai.org/images/html/news559/YoshiokaMemo37.pdf
時間がないのでまだよく読んでいませんが、かなり参考になるはずです。
昨夜、Ustreamで原子力保安院の会見を見ました。
http://www.ustream.tv/recorded/14641850
原子炉建屋内に入ることができるようになったので
原子炉の計測器を補正したら今までの指示値より圧力容器の水位が低いことがわかった。
(ダウンスケール・・燃料棒が本来ある位置より水位が下。下から4mぐらい)
水位が低いのに燃料が冷えているということは燃料は水の中にある。
ということは、燃料棒が破損して落ちている。
という話のようです。
吉岡メモでは、4月17日の第26報で1号機の炉心損傷・燃料落下は推測されていたので
状況としては新しい事態が起こったわけでもないということになります。
吉岡メモ
http://www.shippai.org/shippai/html/index.php?name=news559
第26報(PDF)
http://www.shippai.org/images/html/news559/YoshiokaMemo26.pdf
必ずしもセンセーショナルに一部メディアが言うように「燃料落下=すべて解けてドロドロになった」ではなく、
熱で被覆管が壊れたことによりまずペレットのまま落下。
高温によりペレット状を維持できず粉末化。
一部もっと高温(2600度以上)になり解けた部分もあるかも。
可能性としてはそれらの複合状態のようです。
大量に水がもれ出ているような大きな穴があれば、溶けて滴り落ちていなくても、粉末状でも流れ出すでしょう。
これは今わかったとは言え前から起こっていたことで、
私たち一般市民にとって特に大きく状況が変わったということはなさそうです。
対策する側は予定を変更したり新たに検討する必要があるかもしれません。
--------
これに対応する吉岡メモ第37報が新たに出たようです。
http://www.shippai.org/images/html/news559/YoshiokaMemo37.pdf
時間がないのでまだよく読んでいませんが、かなり参考になるはずです。
第4回 用語復習
1.核分裂・連鎖反応・臨界とは
それについて京都女子大の水野義之先生がtwitter上で解説したものを
まとめたかたがいるのでご紹介します。
togetter
水野先生の核分裂、連鎖反応、臨界の解説
http://togetter.com/li/124818
2.放射線関係
説明すると長くなりがちなのでこちらもtwitterでの京都女子大の水野義之先生の説明を引用します。
(改行と注色文字は追加しました。)
■放射性物質が、放射線を出す能力を、放射能と呼ぶ。
■放射性物質は、放射線を出す元。
■出てくるのが、放射線。
■放射性物質が、毎秒1個の放射線を出す能力が、放射能の単位ベクレル。
ベクレルは放射能(という能力)の強さの単位。Bq〜放射線の数/秒。(〜は近似の意)
補足)ベクレルの意味=放射線の「毎秒の個数」=数字の単位という意図でBq〜放射線の数/秒。
より正確には、Bq=放射性崩壊/秒。
例:ヨウ素131が100ベクレルの放射性物質としてある。
ヨウ素原子は徐々に減る。100ベクレル=毎秒100個減る。
1個減るとβ線を1個、γ線を1個出す。
結局ベクレルは、放射性物質が何グラム(原子何個)に対応。半減期の秒が一定→毎秒何個の崩壊が決まるから。
だから1日でその放射性物質が何グラム。
@swiiitch2010 毎秒の単位ということですが、
よく「一日あたり○ベクレル」という表現を聞くのですが、これはどうイメージすればよい?
(質問が下になりますが、この@swiiitch2010という質問者に対して質問を引用して答えている)
http://twitter.com/#!/y_mizuno/status/61960099647852544
http://twitter.com/#!/y_mizuno/status/61968037531746304
http://twitter.com/#!/y_mizuno/status/61977634225143808
3.簡易放射線量測定器でできるだけ良い測定を行うコツ(暫定)
http://www.twitlonger.com/show/a44oap
----------
今気にになっていることは
緊急時における暫定基準値に対する文部科学省の認識が大丈夫かどうかです。
暫定基準値はあくまで暫定であって、福島県内などでは除染などの努力をして
なるだけ早く通常の基準値1mSv/年以内にもどすべきものです。
汚染土の捨て場所を確保するのに時間がかかるなどやむをえない事情で手間取っている間は
放射線の影響が統計的に現れない範囲で我慢してもらうという基準値であって
とくに子供たちが遊ぶ校庭などは基準値内だから大丈夫だと言って長期間放って置かれるようでは困ります。
それと原子炉1号機を水棺にするのは大丈夫かどうかです。
元原子炉設計者の吉岡律夫氏が懸念を表明しています。
それでも少しずつ水を増やして様子を見ているので大丈夫なのでしょうか。
吉岡メモ 第30報 「水棺方式の中止を!」
http://www.shippai.org/shippai/html/index.php?name=news559
それについて京都女子大の水野義之先生がtwitter上で解説したものを
まとめたかたがいるのでご紹介します。
togetter
水野先生の核分裂、連鎖反応、臨界の解説
http://togetter.com/li/124818
2.放射線関係
説明すると長くなりがちなのでこちらもtwitterでの京都女子大の水野義之先生の説明を引用します。
(改行と注色文字は追加しました。)
■放射性物質が、放射線を出す能力を、放射能と呼ぶ。
■放射性物質は、放射線を出す元。
■出てくるのが、放射線。
■放射性物質が、毎秒1個の放射線を出す能力が、放射能の単位ベクレル。
ベクレルは放射能(という能力)の強さの単位。Bq〜放射線の数/秒。(〜は近似の意)
補足)ベクレルの意味=放射線の「毎秒の個数」=数字の単位という意図でBq〜放射線の数/秒。
より正確には、Bq=放射性崩壊/秒。
例:ヨウ素131が100ベクレルの放射性物質としてある。
ヨウ素原子は徐々に減る。100ベクレル=毎秒100個減る。
1個減るとβ線を1個、γ線を1個出す。
結局ベクレルは、放射性物質が何グラム(原子何個)に対応。半減期の秒が一定→毎秒何個の崩壊が決まるから。
だから1日でその放射性物質が何グラム。
@swiiitch2010 毎秒の単位ということですが、
よく「一日あたり○ベクレル」という表現を聞くのですが、これはどうイメージすればよい?
(質問が下になりますが、この@swiiitch2010という質問者に対して質問を引用して答えている)
http://twitter.com/#!/y_mizuno/status/61960099647852544
http://twitter.com/#!/y_mizuno/status/61968037531746304
http://twitter.com/#!/y_mizuno/status/61977634225143808
3.簡易放射線量測定器でできるだけ良い測定を行うコツ(暫定)
http://www.twitlonger.com/show/a44oap
----------
今気にになっていることは
緊急時における暫定基準値に対する文部科学省の認識が大丈夫かどうかです。
暫定基準値はあくまで暫定であって、福島県内などでは除染などの努力をして
なるだけ早く通常の基準値1mSv/年以内にもどすべきものです。
汚染土の捨て場所を確保するのに時間がかかるなどやむをえない事情で手間取っている間は
放射線の影響が統計的に現れない範囲で我慢してもらうという基準値であって
とくに子供たちが遊ぶ校庭などは基準値内だから大丈夫だと言って長期間放って置かれるようでは困ります。
それと原子炉1号機を水棺にするのは大丈夫かどうかです。
元原子炉設計者の吉岡律夫氏が懸念を表明しています。
それでも少しずつ水を増やして様子を見ているので大丈夫なのでしょうか。
吉岡メモ 第30報 「水棺方式の中止を!」
http://www.shippai.org/shippai/html/index.php?name=news559
第3回 放射性物質と体への影響
今日は放射線の体への影響について書こうと思います。
ただし、この問題は大変デリケートで、人によって何が許容できると考えるかも全然違うので
本来それぞれの価値判断に従って行動すべきことであるとは思います。
また、そもそも健康については誰もが心配なことなので、
政府発表より安全サイドの基準が正しいといわれると
そちらを信じて政府を疑いたくなるのが人情というものなので、
そのあたりの心情は理屈でコントロールできないかもしれません。
ただ、それに乗じてとんでもないデマや事実誤認も数多く出回っていて目に余るので
基本的な考え方は書いておこうと思います。
まず、混乱した情報が飛び交っているカテゴリーがいくつかあると思うので分けてみます。
1.どの程度の放射線を浴びると異常が出るのか
2.規制値の妥当性
1.どの程度の放射線を浴びると異常が出るのか
まずは私が説明するより、専門家の書いたページを読んでみてください。
東大病院放射線医療チーム
http://tnakagawa.exblog.jp/
放射線影響研究所
http://www.rerf.jp/index_j.html
読んでもなおわかりにくい所が多いようなので、いくつかをかなり大胆にくだいて書いてみます。
i)放射線の影響には確定的影響と確率的影響がある。
http://tnakagawa.exblog.jp/15130220/
確率的影響とは簡単に言うと将来癌になる可能性です。
ところが人間は通常でも50パーセントぐらいは癌になります。
さらに放射線の影響で癌が増えたと統計的に言えるのは200mSvぐらいからで、1パーセント増えるいということです。(一度に浴びた場合)
しかし増加が統計的に観測できないそれ以下の場合でも比例的に癌が増える可能性があると仮定するのが安全対策のための考え方となっていますので、100mSv浴びると0.5パーセント増えると考えます。
同じ量の放射線を浴びても1度に浴びた場合と1年かけて徐々に浴びた場合では、徐々に浴びたほうが人間のからだの修復機能が働くので影響が少ないと考えられています。
確定的影響は、ある程度の量の放射線を浴びた時に起こる白血球の減少、生殖機能の喪失、皮膚の炎症など癌以外の急性の症状です。
今回のような事例では一般市民の場合は確率的影響のことを考えればいいはずです。
(もしかしたら追記などするかもしれません)
2.規制値の妥当性
i)平時の規制値
国際的な放射線防護のために国際放射線防護委員会(ICRP)という組織があり、基準を定めています。
日本政府もこの基準をもとに規制値を決めています。
ICRPによると平時における基準値は、放射線の影響はできるだけ避けなければならないという考えのもとに決められています。
つまり「社会的・経済的要因を考慮にいれながら合理的に達成できる限り低く(As Low As Reasonably Achievable;ALARA)」ということです。
もっと言ってしまえば、これを超えたら体に影響がでるという値を基に算出されたわけではないということです。
実際に影響が出ることが(統計的に)観測できる値よりずっと低い値ですが、
平時にはその基準値以下になることが求められています。
http://www.rist.or.jp/atomica/data/dat_detail.php?Title_No=09-04-01-05
国際原子力機関(IAEA)という原子力の利用を監視している機関も基準値を設けていますが
(どちらかというと原子力設備を運用する側が守るべき基準値です。)
その考え方としても、平時における基準値は
健康への影響だけでなく将来にわたっての環境への未知の影響を考慮して
できるだけ低い値になるように設定するものとなっています。
http://www.jnes.go.jp/content/000013228.pdf(本文12ページ)
ii)緊急時の規制値
まず、こちらをごらんください
http://www.nirs.go.jp/information/info.php?i14
緊急時というのはもう放射能が漏れてしまっています。
年間1mSv以内に収められない地域が出ている状況です。
その状況でなるだけ健康被害がでないためにはどうするかということなのです。
避難とか屋内退避とかはそれを考えて決められます。
緊急時の目安は次のようになっています。
1.平常時:年間1ミリシーベルト以下に抑える
2.緊急事態期:事故による被ばく量が20〜100ミリシーベルトを超えないようにする
3.事故収束後の復旧期:年間1〜20ミリシーベルトを超えないようにする
この目安は、上に書いた体への影響と対応させると、確率的影響が通常の癌発生率と判別できない程度のレベルに抑えるのに少し余裕を持たせた基準だということになります。
その程度に抑えている間に事故後の収集が終わって通常レベルに戻るべきだということでもあります。
避難地区にならなかったのはその範囲内だからだと思えばある意味安心材料なのですが、
いや、通常の癌発生率と判別できなくても本当は少しでも上がっているはずだと問題にする人もいるでしょう。
「あなたはどう考える?」という話になります。
社会生活上の負担を考えても脱出したい人は脱出するかもしれません。
困るのは線量が場所によって微妙に違うことです。
原発周辺の避難対象でない地域では、本当は線量計などで随時調べながら蓄積線量を気にしていなければならないところなのでしょう。
ただし、この問題は大変デリケートで、人によって何が許容できると考えるかも全然違うので
本来それぞれの価値判断に従って行動すべきことであるとは思います。
また、そもそも健康については誰もが心配なことなので、
政府発表より安全サイドの基準が正しいといわれると
そちらを信じて政府を疑いたくなるのが人情というものなので、
そのあたりの心情は理屈でコントロールできないかもしれません。
ただ、それに乗じてとんでもないデマや事実誤認も数多く出回っていて目に余るので
基本的な考え方は書いておこうと思います。
まず、混乱した情報が飛び交っているカテゴリーがいくつかあると思うので分けてみます。
1.どの程度の放射線を浴びると異常が出るのか
2.規制値の妥当性
1.どの程度の放射線を浴びると異常が出るのか
まずは私が説明するより、専門家の書いたページを読んでみてください。
東大病院放射線医療チーム
http://tnakagawa.exblog.jp/
放射線影響研究所
http://www.rerf.jp/index_j.html
読んでもなおわかりにくい所が多いようなので、いくつかをかなり大胆にくだいて書いてみます。
i)放射線の影響には確定的影響と確率的影響がある。
http://tnakagawa.exblog.jp/15130220/
確率的影響とは簡単に言うと将来癌になる可能性です。
ところが人間は通常でも50パーセントぐらいは癌になります。
さらに放射線の影響で癌が増えたと統計的に言えるのは200mSvぐらいからで、1パーセント増えるいということです。(一度に浴びた場合)
しかし増加が統計的に観測できないそれ以下の場合でも比例的に癌が増える可能性があると仮定するのが安全対策のための考え方となっていますので、100mSv浴びると0.5パーセント増えると考えます。
同じ量の放射線を浴びても1度に浴びた場合と1年かけて徐々に浴びた場合では、徐々に浴びたほうが人間のからだの修復機能が働くので影響が少ないと考えられています。
確定的影響は、ある程度の量の放射線を浴びた時に起こる白血球の減少、生殖機能の喪失、皮膚の炎症など癌以外の急性の症状です。
今回のような事例では一般市民の場合は確率的影響のことを考えればいいはずです。
(もしかしたら追記などするかもしれません)
2.規制値の妥当性
i)平時の規制値
国際的な放射線防護のために国際放射線防護委員会(ICRP)という組織があり、基準を定めています。
日本政府もこの基準をもとに規制値を決めています。
ICRPによると平時における基準値は、放射線の影響はできるだけ避けなければならないという考えのもとに決められています。
つまり「社会的・経済的要因を考慮にいれながら合理的に達成できる限り低く(As Low As Reasonably Achievable;ALARA)」ということです。
もっと言ってしまえば、これを超えたら体に影響がでるという値を基に算出されたわけではないということです。
実際に影響が出ることが(統計的に)観測できる値よりずっと低い値ですが、
平時にはその基準値以下になることが求められています。
http://www.rist.or.jp/atomica/data/dat_detail.php?Title_No=09-04-01-05
国際原子力機関(IAEA)という原子力の利用を監視している機関も基準値を設けていますが
(どちらかというと原子力設備を運用する側が守るべき基準値です。)
その考え方としても、平時における基準値は
健康への影響だけでなく将来にわたっての環境への未知の影響を考慮して
できるだけ低い値になるように設定するものとなっています。
http://www.jnes.go.jp/content/000013228.pdf(本文12ページ)
ii)緊急時の規制値
まず、こちらをごらんください
http://www.nirs.go.jp/information/info.php?i14
緊急時というのはもう放射能が漏れてしまっています。
年間1mSv以内に収められない地域が出ている状況です。
その状況でなるだけ健康被害がでないためにはどうするかということなのです。
避難とか屋内退避とかはそれを考えて決められます。
緊急時の目安は次のようになっています。
1.平常時:年間1ミリシーベルト以下に抑える
2.緊急事態期:事故による被ばく量が20〜100ミリシーベルトを超えないようにする
3.事故収束後の復旧期:年間1〜20ミリシーベルトを超えないようにする
この目安は、上に書いた体への影響と対応させると、確率的影響が通常の癌発生率と判別できない程度のレベルに抑えるのに少し余裕を持たせた基準だということになります。
その程度に抑えている間に事故後の収集が終わって通常レベルに戻るべきだということでもあります。
避難地区にならなかったのはその範囲内だからだと思えばある意味安心材料なのですが、
いや、通常の癌発生率と判別できなくても本当は少しでも上がっているはずだと問題にする人もいるでしょう。
「あなたはどう考える?」という話になります。
社会生活上の負担を考えても脱出したい人は脱出するかもしれません。
困るのは線量が場所によって微妙に違うことです。
原発周辺の避難対象でない地域では、本当は線量計などで随時調べながら蓄積線量を気にしていなければならないところなのでしょう。
第2回−2 各炉の状態など
初期のころ2号機の炉心が全部露出したという報道があったので、2号機の燃料が一番破損しているかと最初のころは思っていたのですが、燃料に関しては一番破損していると見られているのは1号機のようです。
また、いちばん放射性物質が漏れているのは、圧力抑制室が破損している(と見られている)2号機のようです。
2号機と3号機の格納容器は大気圧になっているので、少なくともどこかに穴があるのでしょう。
水素爆発が起こらないように窒素注入するという作業は、一番密閉性が保たれている1号機が優先されている模様です。
いまから再臨界が起こる可能性は否定している研究者が多いようです。
再臨界主張の根拠になっているCl38の検出に関しては、Cl38があるなら同時に検出されるはずの他の元素が見つかっていないことからCl38の検出は測定ミスだと、ある研究者は断言しています。
はっきり言ってこれ以上水素爆発は起こらないようにして欲しいし、
関係者は起こらないように努力していると思いますが、科学に「絶対」はあり得ない以上「絶対」とは誰も言いません。
もし水素爆発が起こると、下がり続けていた各地の放射線レベルはまた一旦上がるでしょうが、
1ヶ月たって放射線物質の崩壊が進んでいるので、3月15日以上の放出はないとみられています。
核物質の怖さは人間の人生に比べて長いスパンだと思います。
ウラン238の半減期は45億年、
プルトニウム239は2万4千年
それに比べればずっと短いセシウム137だって30年もあります。
事故で住めないレベルにまで汚染されたら何十年も帰ってこられないし、
安全に管理するにも世代を超えて管理し続けなければならないのです。
いくら科学が進んでも「世代を超えて」という無理がある限り、原子力を安全に使うなどということは神話でしかないように思えます。
現在避難している方たちが避難地域に帰れるか、また今後も住めなくなるかは今はまだわかりません。
今後の放射性物質の調査結果によるでしょう。
少なくとも原子炉が安定的に冷却できるまでは帰れないでしょう。
原子炉の図は、こちら↓の7、13ページの図が適度に簡略化されてわかりやすいです。
(本文も読めばもっといいです。)
http://smc-japan.org/wordpress/wp-content/uploads/2011/04/Message20110411.pdf
まとめ
1.このまま冷やし続けられれば事態は良くなる方向へ
再臨界になっている可能性については意見が分かれるが、再臨界になったとしても部分的で小規模なので
「このまま冷やし続けられれば」爆発などはおこらず、今後の空中への放射性物質の飛散はわずか。
核燃料を冷やしている水が漏れているので海中への汚染はしばらく続くでしょう。(いろいろ対策しているので徐々には減る。)
2.気をつけること:水素爆発の可能性
ジルコニウムの酸化やガンマ線の照射により水から発生した水素が、そこに酸素があると爆発するのが水素爆発です。
水素爆発で格納容器などが壊れればまた気体といっしょに放射性物質が飛びます。
それを事前に防ぐために格納容器内に窒素注入しています。(窒素が入って酸素と入れ替われば爆発しない。)
ここはなんとか持ちこたえるのではないか。(がんばってほしい。)
注)「水蒸気爆発」と「水素爆発」は違う
水蒸気爆発は液体化した高温の金属が大量の水の中落ちると
大量の水が突然大量の水蒸気になって体積が急激に増えることによる爆発です。
具体的には、ウラン燃料が2600度以上になって溶けて、水の中に落ちるという場合です。
万一ウラン燃料が溶け、さらに圧力容器がの底が溶けて格納容器に落ちても、水蒸気爆発が起こることをさけるために
通常格納容器のウラン燃料の真下には水がないように作られているそうですが、
今はどこからか漏れた水がたまっている可能性もあります。
しかし水蒸気爆発は「このまま冷やし続けられれば」起こらないと考えられています。
3、万一の可能性
ここでもう一度本震並みの大地震があって津波が来て冷やし続けることが不可能になるなど、
本当に信じられないような大ダメージがあったらお手上げです。
その場合でも危ないのは原発周辺だけだとか、日本中が危ないとか諸説あり、
それぞれ何々がああなってこうなるだろう・・・という説明もありますが、
再びの災害の可能性は人事の及ばないことでもあり、今はそこまで考えないことにしましょう。
追記:2011.4.18「まとめ」以下追記しました。
また、いちばん放射性物質が漏れているのは、圧力抑制室が破損している(と見られている)2号機のようです。
2号機と3号機の格納容器は大気圧になっているので、少なくともどこかに穴があるのでしょう。
水素爆発が起こらないように窒素注入するという作業は、一番密閉性が保たれている1号機が優先されている模様です。
いまから再臨界が起こる可能性は否定している研究者が多いようです。
再臨界主張の根拠になっているCl38の検出に関しては、Cl38があるなら同時に検出されるはずの他の元素が見つかっていないことからCl38の検出は測定ミスだと、ある研究者は断言しています。
はっきり言ってこれ以上水素爆発は起こらないようにして欲しいし、
関係者は起こらないように努力していると思いますが、科学に「絶対」はあり得ない以上「絶対」とは誰も言いません。
もし水素爆発が起こると、下がり続けていた各地の放射線レベルはまた一旦上がるでしょうが、
1ヶ月たって放射線物質の崩壊が進んでいるので、3月15日以上の放出はないとみられています。
核物質の怖さは人間の人生に比べて長いスパンだと思います。
ウラン238の半減期は45億年、
プルトニウム239は2万4千年
それに比べればずっと短いセシウム137だって30年もあります。
事故で住めないレベルにまで汚染されたら何十年も帰ってこられないし、
安全に管理するにも世代を超えて管理し続けなければならないのです。
いくら科学が進んでも「世代を超えて」という無理がある限り、原子力を安全に使うなどということは神話でしかないように思えます。
現在避難している方たちが避難地域に帰れるか、また今後も住めなくなるかは今はまだわかりません。
今後の放射性物質の調査結果によるでしょう。
少なくとも原子炉が安定的に冷却できるまでは帰れないでしょう。
原子炉の図は、こちら↓の7、13ページの図が適度に簡略化されてわかりやすいです。
(本文も読めばもっといいです。)
http://smc-japan.org/wordpress/wp-content/uploads/2011/04/Message20110411.pdf
まとめ
1.このまま冷やし続けられれば事態は良くなる方向へ
再臨界になっている可能性については意見が分かれるが、再臨界になったとしても部分的で小規模なので
「このまま冷やし続けられれば」爆発などはおこらず、今後の空中への放射性物質の飛散はわずか。
核燃料を冷やしている水が漏れているので海中への汚染はしばらく続くでしょう。(いろいろ対策しているので徐々には減る。)
2.気をつけること:水素爆発の可能性
ジルコニウムの酸化やガンマ線の照射により水から発生した水素が、そこに酸素があると爆発するのが水素爆発です。
水素爆発で格納容器などが壊れればまた気体といっしょに放射性物質が飛びます。
それを事前に防ぐために格納容器内に窒素注入しています。(窒素が入って酸素と入れ替われば爆発しない。)
ここはなんとか持ちこたえるのではないか。(がんばってほしい。)
注)「水蒸気爆発」と「水素爆発」は違う
水蒸気爆発は液体化した高温の金属が大量の水の中落ちると
大量の水が突然大量の水蒸気になって体積が急激に増えることによる爆発です。
具体的には、ウラン燃料が2600度以上になって溶けて、水の中に落ちるという場合です。
万一ウラン燃料が溶け、さらに圧力容器がの底が溶けて格納容器に落ちても、水蒸気爆発が起こることをさけるために
通常格納容器のウラン燃料の真下には水がないように作られているそうですが、
今はどこからか漏れた水がたまっている可能性もあります。
しかし水蒸気爆発は「このまま冷やし続けられれば」起こらないと考えられています。
3、万一の可能性
ここでもう一度本震並みの大地震があって津波が来て冷やし続けることが不可能になるなど、
本当に信じられないような大ダメージがあったらお手上げです。
その場合でも危ないのは原発周辺だけだとか、日本中が危ないとか諸説あり、
それぞれ何々がああなってこうなるだろう・・・という説明もありますが、
再びの災害の可能性は人事の及ばないことでもあり、今はそこまで考えないことにしましょう。
追記:2011.4.18「まとめ」以下追記しました。



